暗証番号

 私が最初に暗証番号を使ったのは、銀行のATMと記憶している。もちろん郵便局にも貯金していたので口座はあったが、貯金の出し入れは印章によっていたので、暗証番号は必要なかった。銀行口座を開設する時に暗証番号を設定するように言われ、考えた。その時の暗証番号の決め方は、頻繁に変えるものではないので、忘れないようなものにすること、だった。そこで生年月日だと変わることがなく、忘れないものとしてこれに決めた。私だけではなく、他の人もこれを暗証番号にした人が多かった。それ以外の数字ではどうかというと、アメリカの調査ではあるが、同じ数字の並びと連続した数字が暗証番号として多く使われているという結果が出ている。私の友達も1111を使っていたのを思い出した。その友達は私にその暗証番号を教えてからすぐに変更した。次の暗証番号もやはり教えてくれた。7410だった。キーの並びで縦に一列に並んでいるので押しやすいということだった。「ところで、お前の暗証番号は?」と聞く。私はこういう理由でこれにしている、と応えると、自分のことを棚に上げて「芸がないなあ..」。とまあ、こんな話題で盛り上がるおおらかな時代があった。
 今では堅牢なセキュリティの観点から他人が推測できるようなものはダメ、同じ数字を並べたものや連続した数字はダメ、それに暗証番号は頻繁に変えるべきと言われている。その取扱いについては重要で貴重なものとして、他人には絶対に教えない、と当たり前の注意書きが並ぶ。セキュリティの面を考えれば当然のことである。ただ、現実に利用する者としては、3ヶ月に一度程度、暗証番号を変更する手続きの煩瑣もさることながら、推測されない単純でない並びの新暗証番号を考えなければならない。面倒なので、パソコンで暗証番号発生ソフトを使い、ランダムな4桁の数字を作ってしまう。そうすると今度はその意味の無い数字が覚えられなくて、暗証番号であるはずが暗唱できず、暗証番号を忘れてしまったという情けないことになる。
 暗証番号と似たようなものに、パスワードというのがある。WEBサイトごとに別々のパスワードにしておいた方がよい。メールアカウントも複数持っているので、それぞれのパスワードがあり、ネットバンクはログインパスワード、取引パスワード等の個人識別番号として複数必要になる。数えたことはないが、暗証番号やパスワードは10や20ではきかない。パスワードの場合は4桁の数字ではなく、6桁以上の英数、特殊文字、大文字、小文字の組み合わせになる。私の記憶容量の限界をはるかに越えているので、パスワード管理ソフトに任せている。それでも不安は残る。記憶しているハードディスクがダウンしたらどうなるのだろう。全くないこともない、形あるものはいずれ壊れるのが常だ。ときどきバックアップをUSBに取っているが、そのUSBも何かウィルスに感染すれば、パスワードの情報がネットを通じて外部に流出となるのだろうか。心配は尽きない。
 確かに何重にもセキュリティを重ねることが万全に近づくことになるだろうけれど、自分の脳にしっかり記憶してある思い出と暗証番号は他の誰にも奪われることはないだろう。



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