テーマ:ベーカリー

悲劇(結末)

 よくよく考えたら、こんな滑稽なことはない。悲劇でもなんでもない。手紙などと回りくどいことを考えずに当たって砕けていればよかったじゃないか。やはり努力虚しく空回り、の教訓になっただけか。自分を笑う、自分を責める言葉がつぎつぎと限りなく湧き出てくる。  月末締めの10日支給ということだったので、アルバイトを月末にやめても翌月の10日にし…
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ため息

 何の変化もないまま日々だけが過ぎていった。私の後任のアルバイトも入ってきた。勿論、引き継ぎなどはない。ただ、仕事の仕方や職場の雰囲気を掴んでもらうだけなので、時間は必要なかった。彼は大学生で年齢も私と変わらなかったが、職場では私が先輩だったので、それなりに私に気を遣ってくれた。また、数少ないアルバイト仲間であったことから、気兼ねなくな…
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恋文

 今のように携帯電話もメールもない時代だったから、直接話すか、それができなければ、手紙を書くかしかない。彼女を目の前にして、何をどう話し出してよいかわからない。それが芝居のせりふのように決まったものを暗記したところで、声が音になって出てこないだろう。さもなければ、調子の外れたうわずった声で自分でも聞くに耐えないことは目に見えている。そこ…
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火傷

 焼けたパンを取り出すときは、パンを並べている鉄のトレイごと取り出すが、その時は火傷をしないように手袋をはめる。ところがその手袋というのが、なぜか中途半端で、手首を完全に防備してくれない、手首までの長さしかなかった。手袋型のなべ掴みにしても、手首がそっぽり隠れるようなものはないので、それがやはり一般的な形だろうと思う。でも、私にとっては…
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ベーカリー

 どの時代も同じだと思うが、こどもの頃から多くを学習し、それを積み重ねている。その学習という教訓の中には合理的で納得できることもあったが、どちらかというと不合理で納得のいかないことの方が多かった。こちらがこれほど気にかけているのに、その人は別の人の方ばかり向いている。私はいつも中途半端で、努力はしているつもりだけど、空回り。そしてそれは…
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