登山

学校で耐寒登山と言えばここに定番の山がある。標高は1100mというからそれほど高くない。初日の出を見に登ったこともある。この辺りの町からはどこからでも見上げることができる。冬には、頂上付近が冠雪し、真っ白な冬の山を見せてくれる。その雪が消えることで冬の終わりも告げてくれる。だから、この村の人々からも親しみを持たれている山だ。
私の家族では、やはり長女(姉)が学校の耐寒登山や友達どおしで登ったりして、登山をするようになった。登山靴も持っていた。つぎの次女(姉)は登山にそれほど興味を持たなかった。3番目の私は、長女の影響を受けて、山が好きになっていった。
たった一度だけであったが、兄弟3人でその1100mの山に登ったことがある。長女は道をよく知っていたので、先頭を歩いた。登山口まではバスも走る緩やかな道だが、登山口から急な山道が続く。だんだんと次女が遅れてきて、ついに道端に座り込んでしまった。長女は、ちょっと立ち止まって次女に声をかけた。長女の性格は分かっていたので、やさしく励ます言葉はかけないだろうとは思ったが、案の定、「少しずつでも登り続けないといつまでたっても頂上にたどり着けないんだから」と檄を飛ばした。私は次女が可哀想になって、タオルの端を持たせ、そのタオルを引いて歩いた。面倒見のいい次女は、反対の立場だったら、きっと長女を後ろから押して登っていったと思うが、長女は相変わらず、マイペースで時々振り返っては登っていった。「疲れたからもう休もう」と言い続けて、長女の後ろを私に引っぱられて歩いた次女だったが、長女の言うとおりいつの間にか頂上に着いた。そして、頂上で3人並んで腰を下ろしたとき、長女は「登って良かったでしょ」と満足げに誇らしげ言った。
あれから、50年、半世紀が過ぎた。3人ともそれぞれの人生の山道を登ってきた。次女は、知らない地の旧家に嫁ぎ、姑との関係、3人の子供を育て、2人の娘を嫁に出し、長男の嫁を迎え、農作業に夫の世話など、何役も粉してきた。私や長女より急で険しい道を歩んで来たような気がする。そして、何度も止まろうと思ったとき、長女のあの時の言葉を聞いたに違いない「少しずつでも登り続けなさい」と。


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